小型ホイール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 16:42 UTC 版)
ホイールが小振りのもの(直径14センチ以下)の楽器は、伝統的には中欧及び東欧に見られる。幅広のキーボックスを持ち、ドローン弦はキーボックスの中を通っている。ホイールが小さいため、一般的には旋律弦1本、ドローン弦2本の3弦の楽器であるが、時に4弦、また5弦の楽器もある。 弦調整式うなり駒ドイツの洋梨型ドレーライアー(Drehleier):2から3本のドローン弦と1から2本の旋律弦、半音階鍵盤を持つ。ペグボックスは特徴的なV字型で、凝った装飾を持つものが多い。うなり駒を調整するペグは、通常、テールピースではなく弦のすぐ隣にあるブロックに設置されている。 くさび調整式うなり駒テケルーラント(tekerőlant、ハンガリー):通常2本のドローン弦(時に3弦)と1から2本の旋律弦、半音階鍵盤。ペグボックスは幅広で凝った装飾を持つことが多い。名称の省略形はテケレーまたはテケルー(tekerő) チロリアン・ドレーライアー(Drehleier、オーストリア):テケルーラントとよく似ているが、通常は全音階鍵盤を持つ。テケルーラントの原型の可能性が指摘されている。 うなり駒なしリラ・コルボワ(lira korbowa、ポーランド):ギター型で、ドローン弦2本、旋律弦1本、全音階鍵盤。 リラ(lira/лира、ロシア):ギター型。ドローン弦2本、旋律弦1本、全音階鍵盤。鍵盤は均等な間隔にならんでいる。 リラ(lira/ліра、ウクライナ):ギター型。ドローン弦2本、旋律弦1本、全音階鍵盤。ボディには2タイプあり、1つは一枚板から掘り出し、ギター型で、横向きのペグを持つもの、もう1つは複数の板を組み合わせてあり、ペグは縦方向である。鍵盤は均等な間隔にならんでいる。 ニネラ(ninera/kolovratec、スロバキア):ギター型。ドローン弦2本、旋律弦1本、全音階鍵盤。幅広のキーボックスを持つ。テケルーラントと極めてよく似ているが、うなり駒は持たない。 グロダリラ(grodalira/vevlira、スウェーデン):歴史的な楽器をもとに20世紀になって復元された。ボディには2タイプあり、1つは細長い箱型のもの、もう1つは長い洋梨型である。通常は全音階鍵盤だが、全音階鍵盤の下に追加された拡張鍵盤で半音階をカバーしているものもある(通常の半音階鍵盤を持つハーディ・ガーディは「白鍵」の上に「黒鍵」がある) ドイツのチューリップ型ドレーライアー:ドローン弦3本、旋律弦1本、全音階鍵盤。
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