寿命の短い生物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/01 07:15 UTC 版)
先に述べたように、年齢に関してはある程度以上寿命の長い生物でなければ調べる意味は少ない。しかし、寿命が一年、あるいはそれに満たないものであっても、年齢でなく齢や大きさに関して同様の調査を行うことはできる。その場合、同じ年であっても時期が変わればその結果は大いに変わるだろう。そこで、年間を通じ、このような齢構成の変化を把握することで、さまざまな情報が得られる。 例えば、カブトムシのように寿命が一年で、ある一定の短い季節に繁殖が行われるであろう動物の場合を考える。年間のある時点でこの調査を行った場合、繁殖時からその時点までに成長した結果が見られる。その内容は、恐らく平均的な成長速度によって育ったものが最大数を占め、その前後に次第に低くなる山を形成するであろう。もし、山が二つ見られた場合、それは雌雄の成長と大きさの違いを反映しているかもしれない。これは(可能であれば)グラフを雌雄分けて書くことで、それぞれに一つの山が見られるはずである。あるいは、実は成体になるのに2年かかるため、昨年の子と今年の子の測定値が別の山をつくっている可能性も考えられる。それとも実は年に二回繁殖しているのかもしれない。これらのどれに当たるのかは、同様な調査を継時的に行うことで判断できることもある。一定期間をおいて調査を繰り返せば、それぞれの山が次第に大きい方へ移動し、新しい世代が現れた時には小さい方に新たな山が作られるのが見られるだろう。
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