寒冷低気圧と天候
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:33 UTC 版)
寒冷低気圧の通過の際は大気が非常に不安定となるため、積乱雲が発達して激しい雷雨や集中豪雨(冬季は大雪)をもたらすことが多い。しかも、寒冷低気圧は偏西風の流れから切り離されているため動きが遅く、悪天候が数日間続く場合がある。このことから「雷三日」という言い習わしがある。暖気の上に寒気が乗り上げる「転倒雷」や、寒冷前線上で起こる「界雷」と呼ばれる発生型の雷が多い。天気図上で日本海を「前線のない低気圧」が東に進んでいるときは注意が必要である。 日本周辺で夏季に発生する場合、アリューシャン列島からミッドウェー諸島近傍で発生した蛇行から切り離され、一週間程度で小笠原近海まで南西方向に進むケースが見られる。これに対応して熱帯低気圧の発達が観測されることから、台風の発達との関連を指摘する研究がある。また、2018年7月の台風12号は、日本の南海上に居座った寒冷渦の影響で、日本列島を西進する異例のコースを辿った。 冬季の日本海側の大雪のほとんどが、寒冷渦や発達した温帯低気圧によってもたらされる。ごくまれに関東平野や近畿地方中部など太平洋側にも雪をもたらすことがある。 また、周期的な天候変化が特徴である春や秋に発生すると、雷雨や雹などをもたらし、動きが遅いために悪天候を持続させる。10月や5~6月はちょうど平地でも雹が降りやすい気温であり、雹の被害が発生しやすい。高山では季節外れの雪になることもある。
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