委員会、議員代表団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 06:11 UTC 版)
欧州議会には20の常任委員会があり、それぞれの委員会は28人から86人で構成される。委員会は1か月に2度開かれ、本会議に提出する法案や報告書の策定や修正を行なっている。委員会のラポルトゥール(報告者)は委員会としての見解を示すことになっているが、必ずしもそうでないこともあった。予算監督委員会において予算案に僅差で同意することを決したにもかかわらず、ラポルトゥールが委員会の決定に反して予算案を否決するべきと報告したことがあり、これによってサンテール委員会が総辞職するという事態に至ったということがあった。 また委員会は小委員会や特別委員会を設置し、特定の分野を扱うことができる。各委員会の委員長は委員長会議を通じて協力している。共同決定手続が導入されたことで欧州議会は多くの分野において権限を増し、とくに環境・公衆衛生・食品安全委員会の機能が強化された。従来、環境・公衆衛生・食品安全委員会はその活動が認知されないことから議員の間で「シンデレラ委員会」と捉えられてきたが、重要性が増したことでその役割が注目されるようになっていった。 欧州議会の委員会の性格は国内議会における委員会とは異なるもので、アメリカ連邦議会の委員会と比べると小さいものの、欧州議会の委員会はヨーロッパの国内議会と比べると非常に大きなもので、専属となる職員が8人から12人、補佐する職員が3人から4人ほど付けられる。また必要である場合には議会全体で保存資料や研究資源などを自由に費やすことができる。 欧州議会では欧州連合域外の議会と交流する議員代表団が組織されている。およそ15人の議員からなる代表団が34組あり、それぞれの座長は委員会の委員長会議と同様に座長会議を通じて協力している。議員代表団には、欧州連合域外の議会と交流する「議会間議員代表団」や欧州連合の加盟候補国や協力国の議会と交流する「合同議員会議」、アフリカ・カリブ海・太平洋諸国 - 欧州連合合同議会会議代表団、欧州・地中海議会会議代表団などがある。また議員は欧州・ラテンアメリカ議会会議、大西洋議員ダイアログや第三国での選挙監視などの国際的な活動にも参加している。
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