奴変
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:29 UTC 版)
奴変とは、奴僕などと呼ばれる隷属民たちによる反乱を指す。明は特定の支配層に奴僕の所有を許可しており、明末には破産したり、あるいは破産前に農民から奴僕になる者が急増した。明清交替の時代に入ると、奴僕は身分解放を求めて争った。時期は清の北京占領後、地域的には華中・華南を中心としており、江南デルタ、珠江デルタ、福建・江西・広東省境、江西、安徽、湖北・安徽・河南省境などで激しかった。奴変の中には、身分の解放とともに、士大夫と庶民の身分差別の廃止を要求するものもあった。奴変を鎮圧した清は、のちに庶民にも奴僕の使用を許可し、金銭による人身売買も許可した。これは、明の時代に横行していた非合法な人身略奪や人身提供を禁止する措置でもあり、自分の身柄を金銭で買い戻すことを可能とした。こうして奴変は奴僕の廃止を実現できなかったが、固定的だった奴僕の立場に変化をもたらした。
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