天文学で使われる赤外線スペクトル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 09:01 UTC 版)
「赤外線天文学」の記事における「天文学で使われる赤外線スペクトル」の解説
スピッツァー宇宙望遠鏡や IRAS、赤外線宇宙天文台 (ISO)、あかり、ハーシェル宇宙望遠鏡などの赤外線宇宙望遠鏡は赤外線スペクトルのほぼ全域にわたって観測することができる。しかし赤外線天文学のほとんどの研究は依然として地上の望遠鏡を用いて行なわれており、こういった地上観測は少数のスペクトルの「窓」、すなわち地球大気の吸収が小さい波長帯を使った観測に限られている。主な赤外線の窓は以下の通りである。 波長域(μm)バンド望遠鏡0.65 - 1.0 R, I バンド 全ての主要な光学望遠鏡 1.25 J バンド ほとんどの主要な光学望遠鏡、ほとんどの赤外専用望遠鏡 1.65 H バンド ほとんどの主要な光学望遠鏡、ほとんどの赤外専用望遠鏡 2.2 K バンド ほとんどの主要な光学望遠鏡、ほとんどの赤外専用望遠鏡 3.45 L バンド ほとんどの赤外専用望遠鏡、いくつかの光学望遠鏡 4.7 M バンド ほとんどの赤外専用望遠鏡、いくつかの光学望遠鏡 10 N バンド ほとんどの赤外専用望遠鏡、いくつかの光学望遠鏡 20 Q バンド いくつかの赤外専用望遠鏡、いくつかの光学望遠鏡 450 サブミリ波 サブミリ波望遠鏡 これらの窓の間には、大気がその波長の赤外線に対して不透明であるために地上からの赤外線観測がより困難な、あるいは不可能な領域が存在している。赤外線専用の望遠鏡やサブミリ波望遠鏡は通常、ハワイのマウナケアやチリの ALMA のような非常に標高の高い場所に建設されたり、成層圏赤外線天文台(SOFIA)のように飛行機に搭載したりして地球上で可能な最高感度での観測を行なっている。スピッツァーや IRAS、ISO のような宇宙空間の観測装置で得られるデータは、上記のような大気の窓の間を埋めるのに役立っている。
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