大日本帝国陸軍のたんか
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「ストレッチャー」の記事における「大日本帝国陸軍のたんか」の解説
大日本帝国陸軍のたんかは四三年式たんか、三五年式たんか、吊たんか、安南たんかなど数種類である。いずれも組立式で、格納、携行に便利なようにできている。これらのほかに最寄りの材料で応用、急造することもある。 四三年式たんかは、総重量 4.3 kg 、床(とこ)1個、轅(ながえ)、横鉄、帯紐(おびひも)2個および負紐(おいひも)2個からなる。床は矩形のズック製で、両長辺は轅を通すために長く管状で、裏面の両端近くにはそれぞれ1条の力帯があり、患者車で吊るための吊環が力帯の両端にある。 一端に関節があり、轅の牝螺にはまる。負紐の両端は管状でこれに柄を通す。 運搬者はたんかの両端にいて、負紐を肩にかけ、柄を両手で提げて搬送する。運搬は最少前後2人で可能であるが、長距離には堪えぬために4人で提送または担送される。四三年式たんかが戦時、平時ともに最も多く使用される。三五年式たんかもおおむねこれと同様の構造である。 吊たんかは総重量 19.4 kg 、四三年式たんかの負紐の代わりに弾力性のある吊金(つりがね)を用いたもので、これに鉄棒1本が附属し、両端を前後2人で担いで運搬する。この式は被運搬者の全身をおおう日覆(赤十字章が付される)、息杖(いきづえ)が附属する。 吊たんかは患者車の動揺に耐えがたい頭蓋、胸部、腹部の臓腑を負傷した者、脊柱、大腿の骨折などの重傷者を搬ぶのに用いられる。安南たんかは吊たんかに類似し、2人で肩で担う。天幕状の日覆(赤十字章が付される)が付せられる。
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