多環芳香族炭化水素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 20:11 UTC 版)
「芳香族炭化水素」の記事における「多環芳香族炭化水素」の解説
詳細は「多環芳香族炭化水素」を参照 アレーンの中で注目されているものに多環芳香族炭化水素 (polycyclic aromatic hydrocarbons, PAH) がある。PAHは多核芳香族炭化水素 (polynuclear aromatic hydrocarbons) とも呼ばれる。これらは1つあるいはそれ以上の芳香環が縮合している。もっとも単純な構造の多環芳香族炭化水素としてナフタレンおよびアズレンがある。ちなみにペンタレンは一見芳香族性がありそうだが、芳香族ではない。 3つかそれ以上の環を持つ PAH は水に溶けにくく、蒸気圧も低い。分子量が増すにつれて、水への溶解度も蒸気圧も減少する。それに比べて、2環性の PAHは水溶性や蒸気圧は増加している。このような特性を持つため、水や大気よりも土壌や堆積物で主に発見される。しかし粒子状物質に分散したPAHは水や大気でも見出される。 分子量が増えるにつれPAHの発癌性は増大し、急性毒性は減少する。PAH の1つであるベンゾピレンは最初に発見された発癌性化合物である。 ナフタレン (naphthalene, C10H8) は1辺で接した平面を共有する2つの六員環で構成されている炭化水素であるが、いくつかの点で真の PAH では無く、二環性芳香族炭化水素であるとされている。 ナフタレンの臭気は防虫剤としてよく知られている。 他の PAH としてアントラセン、クリセン、ピレン、コロネン、ケクレンなどがある。 発癌性と催奇形性で有名な PAH には以下のようなものがある。 ベンゾ[a]アントラセン、クリセン (C18H12) ベンゾ[b]フルオラセン、ベンゾ[j]フルオラセン、ベンゾ[k]フルオラセン、ベンゾ[a]ピレン (C20H12 C20H12) インデノ[1,2,3-cd]ピレン (C22H12) ジベンゾ[a,h]アントラセン (C20H14)
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