増田渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2025/08/18 13:37 UTC 版)
| 人物情報 | |
|---|---|
| 生誕 | 1903年10月12日 日本島根県松江市 |
| 死没 | 1977年3月10日（73歳没） |
| 出身校 | 東京帝国大学 |
| 学問 | |
| 研究分野 | 中国文学 |
| 研究機関 | 大阪市立大学・関西大学 |
増田 渉（ますだ わたる、1903年10月12日[1] - 1977年3月10日[1]）は、日本の中国文学者。
経歴
1903年、島根県八束郡恵曇村（現：松江市鹿島町）で生まれた[1]。旧制松江高等学校（現：島根大学）を経て[2]、1926年、東京帝国大学文学部を卒業[1]。
1931年、上海で晩年の魯迅に会い師事[1]。魯迅の家に10ヶ月間通い、『史略』などの講義を直接受けた[1][3]。帰国後も魯迅との書簡の往復は続いた[1]。1935年、『支那小説史略』の日本語完訳版を出版[1]。佐藤春夫と『魯迅選集』を翻訳・刊行し、本格的に作品紹介を行った。
1949年、島根大学文理学部教授[1]。1953年、大阪市立大学教授[1]。1967年関西大学教授[1]。1974年、関西大学を定年退職[1]。1977年、盟友の竹内好の葬儀で弔辞を述べている最中に心臓発作を起こし[1]、数日後に後を追うように逝去した。多くの貴重書を集めた蔵書は、関西大学に収蔵され、「増田文庫」となった[1][4]。
交友・業績
生涯にわたり竹内好、武田泰淳、松枝茂夫らと交流した。芥川龍之介、佐藤春夫の影響で中国文学に傾倒した。佐藤については、佐藤名義の訳『平妖伝』の下訳も手がけたと、『中国古典文学大系 平妖伝』の月報で語っている。本人の著作・業績については『中国の八大小説 中国近世小説の世界 増田渉教授還暦記念』（大阪市立大学中国文学研究室編、平凡社, 1965年）に詳しい。
著作
- 著書
- 『魯迅の印象』大日本雄弁会講談社, 1948
- 再版 角川選書, 1970
- 『中国文学史研究 「文学革命」と前夜の人々』岩波書店, 1967
- 復刊 1977年
- 『西学東漸と中国事情 「雑書」札記』岩波書店, 1979
- 『中国古典文学への招待』（共著）平凡社, 1975
- 単著化 『雑書雑談』汲古書院, 1983
- 『魯迅 増田渉－師弟答問集』伊藤漱平・中島利郎編, 汲古書院, 1986
- 翻訳
- 『魯迅選集』佐藤春夫共編訳, 岩波文庫, 1935
- 『支那小説史』魯迅著, サイレン社, 1935
- 再版 天正堂, 1938
- 文庫化 岩波文庫, 1941
- 『魯迅作品集 第1巻』東西出版社, 1946[注釈 1]
- 『聊斎志異 中国千夜一夜物語』蒲松齢 新流社, 1948
- 『魯迅の言葉』創元社, 1955
- 『魯迅選集』松枝茂夫・竹内好共編訳、岩波書店 全12巻別巻1, 1956
- 改訂版(全13巻) 1964
- 『史記物語』司馬遷 講談社, 1956
- 『新・十八史略物語』(全12巻,別巻2) 奥野信太郎・佐藤春夫共編訳 河出書房, 1956-1957
- 『老舎』(世界名作全集 33) 飯塚朗共訳、平凡社, 1960
- 『阿Q正伝 他八篇』角川文庫, 1961
- 改版、新版2018
- 『五・四文学革命集』(中国現代文学選集 3[注釈 2]) 編集委員 平凡社, 1963
- 『五・四文学革命集』(中国の革命と文学 2[注釈 3]) 編訳代表 平凡社, 1972
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 井上泰山「増田渉と辛島驍 : 『中国小説史略』の翻訳をめぐって」『関西大学東西学術研究所紀要』第45巻、関西大学、2012年4月、21-46頁。
- ^ 島根大学の著名人：島根大学教官
- ^ 学部長だより2019年8月(中村元と増田渉)
- ^ 図書館の増田渉文庫に『魯迅傳』の自筆原稿が収蔵されました(関西大学図書館)
参考文献
 |
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
|
| 全般 | |
|---|---|
| 国立図書館 | |
| その他 | |
 |
この項目は、学者に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（PJ:人物伝/P:教育）。 |
固有名詞の分類
Weblioに収録されているすべての辞書から増田渉を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から増田渉
を検索
- 増田渉のページへのリンク
