基本的メカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/20 12:15 UTC 版)
多結晶体中の結晶粒同士の境界部分を「結晶粒界」、あるいは単に「粒界」という。対して、結晶粒の内部部分を「結晶粒内」、あるいは単に「粒内」という。粒界は結晶格子が乱れている場所なので、不純物の偏析が起こりやすく、元々、粒界は粒内に比べて腐食しやすい場所である。金属組織を観察するために、表面をエッチングして粒界を際立たせることが行われるが、これも粒界の腐食しやすさを利用した粒界腐食の一種である。 しかし、粒界が一般的に腐食しやすいとはいえ、粒界腐食が問題となることは多くない。多くの実用金属材料では、粒界部だけが著しい腐食することは少ない。一般に、何らかの原因によって材料の粒界腐食が起きやすさが増大する現象を鋭敏化という。実用的に粒界腐食が問題となるのは、熱処理や溶接によって金属組織に変化が加わったときである。このようなときに粒界での際立った腐食が起き、粒界腐食の程度が激しいときには結晶粒が脱落する。 粒界腐食は金属組織依存性が強い現象で、対策も材料側から施される。鋭敏化は粒界に沿ってき裂が進展する粒界応力腐食割れの原因にもなる。耐応力腐食割れへの観点からも鋭敏化は望ましくない。
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