地球以外の天体における気球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 14:53 UTC 版)
「浮揚ガス」の記事における「地球以外の天体における気球」の解説
気球よりも平均密度が高い大気がある場合にのみ、気球は浮力を持つことができる。 月は大気がないため、気球は浮かばない。 火星の大気は非常に薄く、圧力は地球の大気圧のわずか1⁄160であるため、少し浮かぶだけでも巨大な気球が必要となる。火星の大気圧の低さを克服することは難しいが、気球で火星を探索するためにいくつかの提案がされている。 金星の大気は二酸化炭素が主成分である。二酸化炭素は地球の空気よりも約50%密度が高いため、通常の地球の空気でも金星では浮揚ガスになる可能性がある。このことを利用し、圧力と温度の両方が地球と同じくらいになる高度で、地球の大気を揚力にして金星の大気に浮かび人間が暮らすというフローティングシティの提案につながった。金星の大気には酸素が含まれていないため、燃えることなく水素を浮揚ガスとして利用することも可能である。1985年、ソ連のベガ計画では、ー金星の大気圏の高度54kmの場所に2つのヘリウム気球が配備された。 土星の最大の衛星タイタンは、窒素が圧縮された非常に冷たい大気を持っている。そこでタイタンでエアロボットが使用された。タイタン・サターン・システム・ミッションの提案には、タイタンを一周するための熱気球が含まれている。
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