圧送式サイクルの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/16 03:26 UTC 版)
「圧送式サイクル」の記事における「圧送式サイクルの特徴」の解説
この方式の利点は、ターボポンプのような複雑なシステムを要さず、信頼性が高い事である。ハイパーゴリック推進剤を使用すれば、点火は推進剤の供給弁の開閉のみで良く、再着火も容易である。有人を含む宇宙船や人工衛星、惑星探査機の推進や軌道制御システムに多用される。 短所、課題としては、圧送ガスの高圧化が難しい点である。逆流を抑えるため燃焼室の燃焼圧力よりも、圧送ガスと推進剤の供給圧力の方が高く設計される。しかし、圧送ガスや推進剤のタンクの重量を抑えるため、タンクの耐圧性も制限される。併せて燃焼圧力が低いと、エンジンの効率も落ち、積載量も抑えられる。そのため、圧送式サイクルは多段式ロケットの上段(後段)に使用される場合が多い。ロケットの1段目には他の固体燃料ロケットやポンプ供給式液体燃料ロケットエンジンが使用されるが、上段では高膨張比のノズルの使用が望ましいからである。 また本システムによる、長時間のエンジン燃焼時には、加圧ガスの断熱膨張による過度な冷却への注意が必要である。推進剤の凍結、供給圧力の低下、配管や部材に悪影響を与える可能性がある。
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