園女とは? わかりやすく解説

そのめ【園女】

読み方:そのめ

斯波園女(しばそのめ)


園女

そのめ

(~享保11年(1726)4月20日享年63歳

園女

(『俳諧百一集』より)

女流俳人。「一有妻」とも表記される。一有は夫で、渭川<いせん>という俳号ディレッタントであった伊勢松坂神官師貞娘。美女教養人誉れ高い。後に大坂住み元禄7年秋に芭蕉大坂で「白菊の目に立て見る塵もなし」と詠んだ。園女は夫の死後江戸に居を移し剃髪して智鏡尼と称した享保11年4月20日死去享年63歳伝えられる。『の塵』編者芭蕉は、元禄元年春、『笈の小文』の旅の途次伊勢立ち寄り、園女の夫一有<いちゆう>と会いその折、「暖簾の奥ものふかし北の梅」と詠んで園女を賞賛している。なお、彼女の夫・斯波一有は伊勢医師俳人

園女の代表作


斯波園女

(園女 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/25 09:11 UTC 版)

斯波園女
栗原信充による肖像
誕生 1664年
伊勢国 山田
死没 1726年5月21日
職業 俳諧師、雑俳点者眼科医
ジャンル 俳句
代表作 「菊の塵」「鶴の杖」
ウィキポータル 文学
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斯波 園女(しば そのめ、寛文4年(1664年) - 享保11年4月20日1726年5月21日[1])は江戸時代俳人伊勢国山田(現在の三重県伊勢市)出身[1]。本姓は度会氏、剃髪後は智鏡と称する[1]

来歴

伊勢山田の神官の秦師貞に生まれ[1]、同地の医師・斯波一有(別号、渭川(いせん))に嫁す[1]。元禄2年(1689年)松尾芭蕉門に入門したとされるが[1]、実際は貞享5年(1688年)に芭蕉から句を得た際に入門したと考えられる[1]。蕉門の俳書『阿羅野』(元禄2年刊)『其袋』(元禄3年)に入集するが[1]、それ以降は芭蕉の俳書にはあまり入集していない[1]

元禄5年(1682年)夫と大坂に移住している[1]。この時、井原西鶴から園女を讃える詞書と「浜萩や当風こもる女文字」の句を送られた[1]。元禄7年(1694年)9月27日、園女は折から大坂を訪れていた芭蕉を自宅に招き、芭蕉はそこで「白菊の目に立てゝ見る塵もなし」と発句を詠み、園女が「紅葉に水をながす朝月」と脇を付け、九吟歌仙一巻が巻かれた[1]。これが芭蕉最後の歌仙興行となった[1]。大坂時代が最も俳人として活躍した時期であり[1]、前句付けの雑俳点者として活躍した[1]

元禄末から宝永2年(1705年)頃に夫が死去[1]宝永2年(1705年)に稲津青流の仲介で江戸の宝井其角を頼って上京する[1]眼科医を家業としながら俳諧を続け、宝永3年(1706年)から宝永5年(1708年)の間に処女撰集『菊之塵』を完成させる[1]

正徳年間には深川八幡に36本の桜の植樹を寄進しているが、これは後々まで「歌仙桜」として江戸っ子に親しまれた[要出典]。享保3年(1718年)剃髪し[1]、智鏡と号した[1]。晩年は和歌に親しみ、享保7年(1722年)と享保9年(1724年)に伊勢神宮へそれぞれ1030首の和歌を奉納した[1]

辞世の歌は「秋の月春の曙見し空は夢か現かなむあみだ仏」[1]。墓所は江東区白河の雄松院[1]

編著に『菊のちり』『鶴の杖』がある。

著名な句

性格や行動には男性的面があったようで、筆跡も雄渾な男性的な筆致である[1]。句は素直で淡泊な味わいと評される[1]

  • 夜あらしや太閤様の桜狩(『俳家奇人談』)
  • 衣更えわざと隣の子をだきに(『柏原集』)
  • みどり子を頭巾でだかん花の春(『住吉物語』)
  • 大根に実の入る旅の寒さかな(『小弓俳諧集』)

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 日本古典文学大辞典編集委員会『日本古典文学大辞典第4巻』岩波書店、1984年7月、59-60頁。 

参考文献

  • 小学館『近世俳句俳文集』
  • ジャンボール絹子『俳諧師園女の生涯』(永田書店)

関連項目


園女

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 03:18 UTC 版)

神州纐纈城」の記事における「園女」の解説

北条内記元妻伴源之丞駈け落ちし諸大名の妾となって逃亡することを繰り返していた。内記から逃れるため、月子に「悲哀の顔」に造顔してもらう。

※この「園女」の解説は、「神州纐纈城」の解説の一部です。
「園女」を含む「神州纐纈城」の記事については、「神州纐纈城」の概要を参照ください。

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