名称の語源と別名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:16 UTC 版)
「ロンゴロンゴ」という語は、これらの絵文字群を指す現代の呼称であり、イースター島の土着語であるラパ・ヌイ語で、「暗誦、朗誦、詠唱」という意味である。 ロンゴロンゴの本来の呼称は、「コハウ・モトゥ・モ・ロンゴロンゴ」(kohau motu mo rongorongo =「詠唱のために彫られた線」)であり、略して「コハウ・ロンゴロンゴ」(kohau rongorongo =「詠唱のための線」)と呼ばれるようになったと言われている。またテキストには、テーマに基づいた固有の名前もあると言われている。例えば、「コハウ・タウ」(kohau ta‘u =「年の線」)は年代記、「コハウ・イーカ」(kohau îka =「魚の線」)は戦死者のリスト(ここでの îka「魚」は戦死者の同音異義語、あるいは比喩として用いられている)、「コハウ・ランガ」(kohau ranga =「逃亡者の線」)は難民のリストとされる。 研究者の中には、「コハウ・タウ」の「タウ」は、ロンゴロンゴとは別種の文字であると考える者もいる。ドイツの人類学者トーマス・バルテル(Thomas Barthel)は、「(イースター島の)島民はもう1種類、別の文字を有しており(いわゆる「タウ」文字)、それらは彼らの年代記やその他世俗的な事象を記録するのに用いられていたが、失われてしまった。」と記録している。しかし、アメリカの研究者スティーヴン・フィッシャー(Steven Roger Fischer)は、「タウ文字はもともとロンゴロンゴの一種である。1880年代に、ある年長者の集団が、自分達の彫刻の価値を取引の際に高めるための装飾模様として、ロンゴロンゴを基に考案したもので、ロンゴロンゴの素朴な模倣である」、「20世紀中頃に3種類目の文字として発表された「ママ」文字(mama)、または「ヴァエヴァエ」文字(va‘eva‘e)は、20世紀初頭に考案された装飾用の幾何学模様である」と述べている。
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