同時代の物的史料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 15:10 UTC 版)
ウナスのピラミッド(英語版)で発見された多数の壁画も、30年間とされるウナスの治世を知る上で基礎的な史料である。またその他に、ウナス治世時代のものとみられる数点の文献が奇跡的に現存している。第5王朝時代のネクロポリスであったアブシールの発掘調査では、わずか4点であるが、確実にウナスに関係するものであろう日時入りの碑文が発見された。これは明らかに、ウナスの治世の3年目・4年目・6年目・8年目について述べているものであった。ナイル川の第1急流(英語版)に位置するエレファンティネ島にも、ウナスの石刻碑文が残されている。 また、ウナスの名のカルトゥーシュが記されたアラバスターの瓶子類もいくつか発見されている。レバント沿岸部のビブロスで発見された完品の瓶子と幾つかの破片がベイルート国立博物館に収蔵されている。フィレンツェ考古学博物館(英語版)には来歴不明の瓶子が所蔵されており、「ホルス名ウアジタウィ、永遠の命持つもの、上下エジプトの王、ラーの子、ウナス、永遠の命持つもの」と記されている。ルーブル美術館でも来歴不明の瓶子が展示されている。高さ17cm、幅13.2cm、アラバスター製の球形瓶であり、羽を広げた隼の絵と、アンクを抱えた2つの蛇形記章(あるいは身を起こしたコブラ)がウナスのカルトゥーシュを取り囲む意匠でもって精緻に装飾されている。ブルックリン美術館は、ウナスのカルトゥーシュとホルス名が記された軟膏壺を所蔵している。ピートリー博物館(英語版)では、方解石製の壺の口縁部破片にウナスのカルトゥーシュ2つが記載されているものを所蔵している。
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