各種検査所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 21:22 UTC 版)
閉塞性肥大型心筋症においては、下記のような所見が見られる。 聴診 胸骨左縁 第3、4肋間から心尖部を中心として、収縮期駆出性雑音、IV音を聴取する。 心電図 左室肥大、異常Q波、ST-T変化、巨大陰性T波(apical HCMの特徴)が見られる。ただし、HCMに特有の所見はなく、むしろ、自覚症状に乏しい割に、心電図上の変化が派手であることが、HCMの特徴と言える。 頚動脈波 二峰性脈(pulsus bisferiens:spike and dome型)が認められる。大動脈弁閉鎖不全症の二峰性脈とは異なる。急激な立ち上がりのあと、収縮中期から後期にゆるやかな2つ目の峰を形成する。 心エコー 非対称性心室中隔肥厚 (ASH) 僧帽弁前尖の収縮期前方運動 (SAM) 大動脈弁の収縮中期 半閉鎖 などが見られる。 心臓カテーテル検査 左室拡張末期圧 (LVEDP) の上昇が特徴的である。 左室流入路と流出路の収縮期圧較差(20mmHg以上)が認められる。 病理学検査 肥大した心筋細胞が見られる。これらの配列においては、樹枝状分枝や渦巻き状などの錯綜配列が特徴的である。錯綜配列は、肥大した心室中隔を中心に分布する。 肥大型心筋症の病理組織写真(HE染色)。 肥大型心筋症の割面像。
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