古典古代から初期中世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 16:37 UTC 版)
古代ギリシアの魔術を示す語にはマゲイア、ゴエーテイア、ファルマケイアが挙げられる。マゲイアはペルシアの神官階級の呼称とされるマゴスより派生した。ヘロドトスによればマゴイ(マゴスの複数形)はメディア王国の一支族名であるが、後に神託や占星術を司る知者と見なされるようになった。マゲイアはマゴイの神学という本来の意味でも使われたが、まじないや魔法といった意味でも用いられた。ゴエーテイアは古代ギリシアの呪術師が霊の口寄せをする際のうなり声から生じた言葉とも言われ、時には詐欺的または侮蔑的な意味合いを込めて使われた。ファルマケイアは薬であり毒薬でもあるという両義性をもつファルマコンより派生した。悪行を意味するマレフィキウム(英語版)は犯罪的な加害魔術を指す言葉として用いられた。イアンブリコスやプロクロスといったネオプラトニストらは、テウルギア(神働術)と呼ばれる、ダイモーン(神霊)に働きかける哲学的魔術に言及もしくは実践した。テウルギアは神の業もしくは神を働かせる術の意であり、一説には『カルデア神託』の集成者とされる2世紀のカルデア人ユリアノスの造語とも言われる。ゴエーテイアは下等な魔術、テウルギアは高等な魔術、マゲイアは普通の魔術に分類された。 新約聖書『ガラテヤの信徒への手紙』5:20でパウロは魔術・呪術を悪だとしている。
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