受動的標的化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:14 UTC 版)
「標的化ドラッグデリバリー」の記事における「受動的標的化」の解説
受動的標的化(英: passive targeting)では、薬物の効果は循環時間に直接関連している。これは、ナノ粒子をある種のコーティングで覆うことによって達成される。いくつかの物質がこれを達成することができ、そのうちの1つがポリエチレングリコール(PEG)である。ナノ粒子の表面にPEGを添加することによって親水性になり、水分子が水素結合を介してPEG上の酸素分子に結合できるようになる。この結合の結果、ナノ粒子の周りに水和膜が形成され、抗貪食性(こうどんしょくせい=体による異物除去に抵抗する性質)にさせる。この粒子は、単核貪食細胞系(または網状内皮系、RES)にとって自然な疎水性相互作用によってこの特性を得ることができる。したがって、薬物を充填したナノ粒子は、より長期間循環し続けることができる。サイズが10~100ナノメートルのナノ粒子は、受動的標的化のこの機構と連動して働くために、長期間にわたって全身的な循環をすることがわかっている。
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