単位表記の紛らわしい点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 08:47 UTC 版)
「単位の換算」の記事における「単位表記の紛らわしい点」の解説
量の大きさと数値との違いの理解が曖昧な場合は、量記号と数値記号とを混同して例えば以下の4つの等式の違いを紛らわしく感じたり、意味を誤解したりする可能性がある。下記の4つの式は、内容は全く同じことを言っているが、両辺の項の意味は異なる。 1 k m = 1000 m {\displaystyle \mathrm {1\ km=1000\ m} } (5-1) x k m = 1000 x m {\displaystyle \mathrm {x\ km=1000x\ m} } (5-2) L [ k m ] = L [ m ] / 1000 {\displaystyle L[\mathrm {km} ]=L[\mathrm {m} ]/1000} (5-3) { L } k m = { L } m / 1000 {\displaystyle \{L\}_{\mathrm {km} }=\{L\}_{\mathrm {m} }/1000} (5-4) 式(5-1)と式(5-2)の両辺は量を示しているが、式(5-3)と式(5-4)の両辺は数値を示していて、式(5-3)の [km] と [m] および式(5-4)の下付記号は記号 L の添え字というべきものである。式(5-1), (5-2)の単位記号とは異なり、式(5-3)の [km] と [m] は独立した記号として通常の数学記号と同様の演算規則に従うものではなく、L [km] という記号列が一体となってひとつの数値を表す変数記号を表している。括弧付き量記号と下付単位記号による式(5-4)の表記はISOやJISで数値方程式の項の表記として推奨されているものであり、式(5-3)の表記に比べて {L }km という記号列が一体であることが認識されやすいであろう。 つまり式(5-1), (5-2)は量方程式であり式(5-3), (5-4)は数値方程式なのだが、両者の違いを認識していない場合には、以下の式(5-1), (5-2)と式(5-3), (5-4)の係数のかかり方が逆であることに単位換算の紛らわしさを感じる可能性はある。
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