協同組合運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 15:22 UTC 版)
協同組合運動は19世紀に英国の実業家であるロバート・オウエンが、働く者の生活安定を考えて、工場内に購買部などを設けた「理想工場」をスコットランドのニューラナークに設立したことに遡る。その思想を受け継ぎ、マンチェスター郊外のロッチデールにおいて、働く人々が出資して、商品を安く購買できる自分達の企業を作ったのがロッチデール先駆者協同組合であり、これが世界で最初の協同組合である。株式会社と異なり、出資額にかかわらず、一人一票の平等の権利を有するという民主的な運営を行うなど、株式会社の弊害を是正するための協同組合原則、いわゆる「ロッチデール原則」を確立し、これが現在の協同組合の原理となっている。また同時期に働く者の相互扶助のために英国各地に設立された「フレンドリー・ソサエティー(友愛組合)」もこうした協同組合のルーツであると言われる。ちなみにフリードリヒ・エンゲルスは『空想から科学へ』の中で空想的社会主義者としてロバート・オウエンを高く評価しており、理想社会においては生産手段が社会化されるというエンゲルスの考えは協同組合運動から借りたものである。ウラジーミル・レーニンも協同組合運動を理想としており、フランス革命当時の思想家であるピエール・ジョゼフ・プルードンも人民銀行という名称の会員制の相互信用金庫を創立した。
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