半減期 [編集]
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/15 14:27 UTC 版)
128Teは、天然に存在するテルルの31.74%を占める同位体である。これは130Teの34.08%に次いで多くを占める同位体である。128Teは厳密には放射性同位体であるが、その半減期は2.2×1024年と極端に長く、放射性崩壊が確認されている核種では最長の寿命を持つ。これは宇宙の年齢の約160兆倍も長く、1秒に1個の128Teの崩壊を観測するためには、計算上2万トン以上の128Te塊を用意しないといけない。半減期がこれほど極端に長いのは、二重ベータ崩壊という極めて稀な崩壊モードを取るためである。128Teの結合エネルギーは8448.74keVであるが、128Teの同重体で原子番号の1つ大きい128Iは8445.48keVであり、差は-3.34keVである。通常のベータ崩壊を起こすには親核種より娘核種の結合エネルギーが大きくなければならず、結合エネルギーの差が負となる関係はベータ崩壊を起こさない。しかし、原子番号が2つ大きい128Xeは8443.30keVと、差が5.44keVと正の値をとる。このような場合では、128Te原子核の2個の中性子がそれぞれ1個ずつ電子と反電子ニュートリノを放出し、2個の陽子に変化して128Xeへと崩壊する。このような崩壊モードを二重ベータ崩壊と呼ぶが、この現象は極めて稀にしか発生しない。 なお、130Teも半減期が7.9×1020年という極端に寿命の長い放射性同位体である。これは、安定同位体を持ちつつも、安定同位体より放射性同位体の割合が多い元素であることを示している。このような元素はテルルの他にレニウムとインジウムしか知られていない珍しいものである。ただし、比較される核種である187Reは412億 (4.12×1010) 年、115Inは441兆 (4.41×1014) 年であり、それらと比べれば128Teや130Teは桁違いに長い。
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