十二使君の乱とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 十二使君の乱の意味・解説 

十二使君の乱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/20 00:05 UTC 版)

十二使君の乱
十二使君の勢力図
各種表記
チュ・クオック・グー Loạn 12 sứ quân
漢字・チュノム 亂𨒒𠄩使君
音読み じゅうにしくんのらん
中国語表記: 十二使君之亂
英語表記: Anarchy of the 12 Warlords
テンプレートを表示
ベトナムの歴史
文郎国
甌雒
南越
第一次北属期
前漢統治)
徴姉妹
第二次北属期
後漢六朝統治)
前李朝
第三次北属期
南漢統治)
呉朝
丁朝
前黎朝
李朝

陳朝
胡朝
第四次北属期
統治)
後陳朝
後黎朝前期
莫朝
後黎朝
後期
南北朝
莫朝
南北朝
後黎朝後期
阮氏政権 鄭氏政権
西山朝
阮朝
フランス領
インドシナ
ベトナム帝国
コーチシナ共和国 ベトナム
民主共和国
ベトナム国
ベトナム
共和国
南ベトナム
共和国
ベトナム社会主義共和国

十二使君の乱(じゅうにしくんのらん、ベトナム語Loạn 12 sứ quân / 亂𨒒𠄩使君)は、呉朝の王である呉昌文の死後起こった950年から967年にかけての内乱、またはその時代(十二使君時代)のことである。

十二使君

呉昌文が戦死してその子の呉昌熾が立つと呉朝の勢力は衰えた[1]。その中で十二使君と呼ばれる土豪たちが紅河デルタの各地に割拠して、互いに争った[2]

  1. 矯公罕(キェウ・コン・ハン) - 峰州[1]フート省)を拠点
  2. 阮寛中国語版(グエン・コアン) - 三帯[1]ヴィンフック省ヴィントゥオン県)を拠点
  3. 阮守捷中国語版(グエン・トゥー・ティエプ) - 僊遊[1]バクニン省)を拠点
  4. 矯順(キェウ・トゥアン) - 回湖(フート省カムケー県)を拠点
  5. 呉日慶(ゴ・ニャット・カイン) - 唐林[1]ハノイ市ソンタイ)を拠点
  6. 李奎中国語版(リ・クエ) - 超類[1]バクニン省トゥアンタイン)を拠点
  7. 杜景碩中国語版(ドー・カイン・タク) - 杜洞江[1](ハノイ市クオックオアイ県)を拠点
  8. 阮超中国語版(グエン・シエウ) - 西扶烈[1](ハノイ市タインチ県)を拠点
  9. 呂唐中国語版(ルー・ドゥオン) - 細江[1]フンイエン省ヴァンザン県)を拠点
  10. 范白虎(ファム・バック・ホー) - 藤州[1](フンイエン省キムドン県)を拠点
  11. 陳覧(チャン・ラム) - 布海口[1][3]タイビン)を拠点
  12. 呉昌熾(ゴ・スオン・シー) - 平橋[1]タインホア省チェウソン県)を拠点

鎮定まで

このような状況の中で、華閭ニンビン省)において、呉権に仕えた将軍丁公著ベトナム語版の遺児であり、独立勢力を築いていた丁部領(ディン・ボ・リン)が現れた。丁部領は、当初は陳覧に従い[3]後継者の地位を得、その死後に勢力を吸収した[4]。後に范白虎を味方につけ、他の使君たちを討伐していった。民衆の支持のもと、連戦連勝ゆえに万勝王と尊敬された丁部領の前に、使君は次々に撃破され[5]、投降していった。968年に丁部領によって平定された[1][6]

その後

968年に丁部領は皇帝に即位し(丁先皇)、国号を大瞿越中国語版(大きな越の国)として[6]丁朝を創建し、華閭に都を置いた。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 中華百科全書 十二使君時代”. 2017年10月9日閲覧。(繁体字中国語)
  2. ^ 桜井由躬雄「紅河の世界」『東南アジア史 I 大陸部』、49頁。 
  3. ^ a b 桜井由躬雄「紅河の世界」『東南アジア史 I 大陸部』、50頁。 
  4. ^ 小倉, p. 64
  5. ^ レイ・タン・コイ, p. 70
  6. ^ a b 「ベトナムの拡張」『東南アジアの歴史―人・物・文化の交流史』、50頁。 

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「十二使君の乱」の関連用語

十二使君の乱のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



十二使君の乱のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの十二使君の乱 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS