北東アジア学
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2000年に初代学長として4年制島根県立大学を建学、大学院博士課程開設に並行して北東アジア学という新しい学問分野を創成した。その際、内発的発展論で展開していた「ある種の普遍性のつながりがありながら、それぞれに違ったものとして発展しているものの相互関係が互いにぶつかりあうことによって、どういう新しい普遍的なものを生み出すのか」という相互触発論を基本的な考え方として持ち込んでいる。 平野健一郎は、北東アジア学創成シリーズの第一巻『北東アジア学への道』(2013年)について、これまでの科学主義が排除しようとしたり、合理的な方法によって解消すべきものとする「情念」を、地域研究の基本的な尺度として重視し、科学主義とバランスさせるかのように「情念」を強調し、理性と情念の相互関係を重視する知性とその必要性を明確に説いていると評した。さらに、北東アジアという地域をあえて明確に定義せず、最近のグローバル化によって地域はそこに住む人々の主体的な意識によって生まれ、変化するという動的な地域概念を打ち出している。そして、ある地域について、それぞれの理性と情念を特徴として取り上げ、どのように関連させるか、地域研究にとって重要なその操作を新しく定義される「知性」に行わせるという重層的なパラダイムを提起していると述べた。北東アジア学については、グローバリゼーション下の地域研究という意味においても、今後のあるべき認識モデルを示していると言えると評した。
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