包括的な指定と治療研究への弊害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:03 UTC 版)
「脱法ドラッグ」の記事における「包括的な指定と治療研究への弊害」の解説
アメリカ国立精神衛生研究所 (NIMH) のトーマス・インセルは、現行の抗うつ薬の効果を効くのも数週間後であるとして不十分とし、次世代の抗うつ薬の目標に、数時間で寛解をもたらすケタミンを挙げ、こうした流れにより理化学研究所が同様にケタミンによる研究を行っている。諸外国では既にこうした治療を提供している施設も存在する。こうした背景によって、より安全な代替薬の探索の必要性があり、類似したメトキセタミンはケタミンより副作用が少ないと考えられるが、禁止されたことで著しく研究が制限される。 イギリスでは、包括指定から動物病院にて用いられるケタミンに類似した薬物を1種類除外する必要があったが、製薬会社が似た構造の自社製品の研究に消極的となったり、研究への影響が深刻である可能性がある。こうしたことはケタミン以外にも言える。2014年には、国際神経精神薬理学会(CINP)は、根本的治療には程遠く副作用に問題のある現行の薬の状況を打破するために、新たな薬の標的を探し、革新的な創薬ができるよう各国に提案している。薬物規制の禁止主義は人権侵害と薬物使用を停止させることの失敗をもたらしたし、合法ドラッグの強い禁止は研究開発の中止という悲惨な結果ももたらす。
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