勧めない、廃止を訴える精神科医
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 02:13 UTC 版)
「電気けいれん療法」の記事における「勧めない、廃止を訴える精神科医」の解説
療法自体を勧めない、または廃止を訴える精神科医もいる。時間の流れに沿った治療プロセスを省略し、または薬物療法で行き詰まり、その内容の是非を医療者として検証しないうちに、安易にこの療法を選択する可能性がありえる。それが医療現場の荒廃につながり、結果として治療を受ける者を苦しめるからとの理由で勧めていない場合がある。 薬物療法との比較する形で、この療法を治療手段として行わない理由が以下、2006年に紹介されている。 体験の連続性を破壊する。 服薬はそれ自体が体験であり、しばしば好ましい体験であり、関与的に観察できる電撃は当人の体験とはなりえない。 薬物は納得ずくで服用し、治療者が微調整でき、患者が異議を申し立て、両者間に相互のフィードバックができる。患者と治療者も進歩しうる。電撃は悉無律(しつむりつ;全か無かの法則)に従い、かつ患者からのフィードバックは通常ない。 薬物は本人および家族に治療への参加感を与える。電撃は彼らを蚊帳の外に置く。 電撃は精神科医の人格に影響を与える。無感覚になるか神経衰弱になるかは別として。看護師についても同様。 創始者であるウーゴ・ツェルレッティも、廃止を訴えた。 こうした見解は一般化できるものではないが、ECTは頻回の全身麻酔を伴うリスクもあり費用も高い。昏迷状態やがん末期の抑うつ状態で経口服用できない場合など、重症例や緊急性の高い症例に適応を限定している医師は多い。
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