全か無かの法則とは? わかりやすく解説

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全か無かの法則

同義/類義語:悉無律
英訳・(英)同義/類義語:all-or-none law

一般的には、ある事象二つの状態をとることしかできず、しかも片方が全く何も起きていない状態にあるよう場合生物現象では、神経細胞閾値上の刺激に対してその大きさかかわらず常に一定の興奮状態を示す場合が例である。
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全か無かの法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 14:42 UTC 版)

全か無かの法則(ぜんかむかのほうそく、: all-or-none principle, all-or-none law)とは刺激の強さと反応の大きさに関する法則であり、悉無律(しつむりつ)、全か無の法則(ぜんかむのほうそく)とも呼ばれる。

概要

全か無かの法則は、筋繊維(筋線維とも)や神経繊維(神経線維とも)に見られるものである。これらの部分は、刺激に対して一定の反応を返す。神経であれば、それは興奮であり、筋繊維では収縮である。これらは、いずれも、その程度に様々な差があり、たとえば生物において、他のものに力を及ぼすのは筋繊維の収縮によるし、その力は状況に応じて調節されるものである。

ところが、それらの個々の構成要素においては、そのようなことは見られない。加えられた刺激が限界値(閾値)より弱い場合は全く反応しない。そして、閾値に達すると反応するが、その大きさは最大限度であり、それ以上に刺激を強めても、反応は大きくならない。つまり、反応しないときは一切反応せず(無)、反応するときには完全に反応し(全)、その反応にはこの両極端しか存在しない、ということを示した法則である[1]

上述のように、総体としての刺激に対する反応は、刺激の強さによって強弱があるはずである。これは、神経と筋肉のどちらの場合も、それを構成する単位が複数集まったものであり、個々の単位の閾値が異なることによる。つまり、刺激が弱い場合には少数の単位だけが反応し、強い場合にはより多数の単位が反応する。そのため、全体で見れば刺激への反応はこの法則に従わない。

この法則は、1871年ヘンリー・ピッカリング・ボウディッチ英語版が行った、カエル心臓を用いた実験により提唱された。

参考文献

関連項目

脚注

  1. ^ Cannon, Walter B. Biographical Memoir, Henry Pickering Bowditch, 1840-1911. Washington, D.C.: National Academy of Sciences, Volume xvii, eighth memoir. 1924.



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