助手、助教授時代の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/26 05:17 UTC 版)
米国留学から帰国後、薬学全体の研究方向が化合物の合成研究より生体内の変化や動態に進んでいる方向を考慮して研究対象を薬物投与後の体内動態に変えることとなった。その手始めとして消化管吸収をより生理的な状態で測定した。実験方法としてはラット腸管還流法により還流液の浸透圧を変化させることによって腸管壁を通しての水の移動が起こり、薬物はこの水の移動に従って移動していることが見出された。また浸透圧を調整する物質によっても吸収率そのものが変化することも示された。これらの研究結果は薬物の消化管吸収は単純な膜透過現象で解明できるものではなく、管内の浸透圧や内容成分によって複雑に変化するものであることが示された。
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