力率の管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/03 04:05 UTC 版)
インピーダンスのリアクタンス成分によって、交流電圧と交流電流の位相に差が生じ、負荷回路で消費される電力よりも多くの電力の配電が必要となる。そのため、電気工作物の必要容量の増大や損失の増加、電圧の低下・上昇による障害などが起こる。それを軽減するためコンデンサやリアクトルなどを回路に接続し、力率の管理をおこなう。 エネルギーとして電力を必要とする装置は、容量性負荷のものより誘導性負荷のもの(インダクタンス成分)が多く、誘導性負荷の力率改善のためのにコンデンサを用いることが多い。この用途で用いるコンデンサのことを進相コンデンサと言う。誘導性負荷では電圧に対して電流の位相が遅れるため、この位相を合わせる方向に調整することで力率が向上する。具体的な誘導性負荷の装置としては、モーターが代表的なものであり、照明用の蛍光灯(の安定器)も誘導性を示す。交流電源を使用する家庭電化製品では、純粋な抵抗負荷(力率1)である白熱電球・電気ストーブ・トースター等の例外を除いて変圧器(あるいはスイッチング電源)やモーターを内蔵しているため、、ほとんどが誘導性負荷である。 高圧受電の場合、低圧回路に力率改善回路を分散設置すると高価になるが、高圧受電設備の容量が低減でき高調波障害の局在化につながる。また、高圧回路に接続すると受電設備の容量は大きくなるが安価である。 日本では、一定以上の受電設備容量の需要家は、力率によって電気料金の割引・割増が決まる制度がある。 力率は有効電力と無効電力から計算により求めることも可能であるが、力率計という測定器もある。
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