前提:共通点と相違点の存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 05:29 UTC 版)
キリスト教内の各教派において、聖霊についての捉え方・考え方には、共通する部分と異なる部分がある。 西方教会と東方教会の間には、聖霊が「父(なる神)からのみ発出する」とするか、それとも「父(なる神)と子(なる神)から発出する」とするかを相違点とするフィリオクェ問題がある。正教会の神学者ウラジーミル・ロースキイは、フィリオクェ問題を東西教会の分裂の根源的かつ唯一の教義上の原因であるとしている(なお、20世紀末以降、西方教会側で「フィリオクェ」を削除ないし再考する動きが散見される、詳細は後述)。 カトリック教会とプロテスタントの間においては、聖霊に関する教理が16世紀の宗教改革において聖書を優先していくプロテスタントの中心にあったとされることがある。当時カトリック教会側においては、枢機卿ロベルト・ベラルミーノから、プロテスタントにおいて聖霊論と関係する教理である救いの確信を、プロテスタントが異端であることの最たるものとする批判があり、またカトリック司祭エドマンド・キャンピオンは、聖霊論にプロテスタントとカトリック教会との根本的な相違があると捉えていた。 このように教派ごとの相違点があり、論者によっては重要な争点と位置付けられる一方で、論者によっては、伝統的な神学では聖霊論は非常に軽視されてきた分野であると評される事もある。 本項では各節において、できる限り幅広い教派に共通する内容を先に述べ、次に各教派ごと(西方教会:カトリック教会・聖公会・プロテスタント、東方教会:正教会)の内容を簡潔に述べる。
※この「前提:共通点と相違点の存在」の解説は、「聖霊」の解説の一部です。
「前提:共通点と相違点の存在」を含む「聖霊」の記事については、「聖霊」の概要を参照ください。
- 前提:共通点と相違点の存在のページへのリンク