前史 - エリドゥの寺院 -
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:01 UTC 版)
「エンキ」の記事における「前史 - エリドゥの寺院 -」の解説
エンキの寺院は、ユーフラテス川の湿地帯の中で、当時としてはペルシャ湾口に近い部分に位置する都市エリドゥにあり、一つの敷地内に18の寺院が存在した。主寺院は「エエングラ」(é-engur-a:深き水の王の家)、もしくは「エアブズ」(é-abzu:水の家)と呼ばれており、地下には水の領域が存在していた。 18の寺院のうち、最も小さいものが最古のものである。その小部屋には紀元前5,000年にさかのぼる清浄な砂が置かれており、壁龕、前庭、祭壇、2つの教壇、犠牲をささげるテーブル、アブズと呼ばれる聖なる水のプールがあり、オーブンが建物の外にあるなど、メソポタミア寺院の特徴を色濃く備えている。淡水魚の骨が出土したことから、当初から淡水を司る神があがめられていたと考えられる。ジョーン・オーツ(Joan Oates)はこれについて次のように言及している「ウバイド期からそれに続くシュメール時代にかけて、エンキ寺院の周辺に少しでも大きな変化があれば、寺院がこの場所にあること、その宗教・建築の伝統が破壊されずに残っていることは信じ難いことだ。」 ここで崇拝されていた神がエンキであるか、エンキと似た位置づけの別の神(アプスーなど)であるかは不明である。
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