初ガツオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 18:58 UTC 版)
江戸時代には人々は初鰹を特に珍重し、「目に青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」という山口素堂の俳句は有名である。この時期は現代では5月から6月にあたる。殊に江戸においては「粋」の観念によって初鰹志向が過熱し、非常に高値となった時期があった。「女房子供を質に出してでも食え」と言われたぐらいである。1812年に歌舞伎役者・中村歌右衛門が一本三両で購入した記録がある。江戸中期の京都の漢詩人・中島棕隠は「蚊帳を殺して鰹を買う食倒れの客」(蚊の季節に蚊帳を金にかえてでも鰹を買う)と江戸の鰹狂いを揶揄する詩を遺している。庶民には初鰹は高嶺の花だったようで、「目には青葉…」の返歌となる川柳に「目と耳はただだが口は銭がいり」といったものがある。このように初鰹を題材とした俳句や川柳が数多く作られている。ただし、水揚げが多くなる夏と秋が旬(つまり安価かつ美味)であり、産地ではその時期のものが好まれていた。
※この「初ガツオ」の解説は、「カツオ」の解説の一部です。
「初ガツオ」を含む「カツオ」の記事については、「カツオ」の概要を参照ください。
「初ガツオ」の例文・使い方・用例・文例
- 初ガツオのページへのリンク