分野名に対する批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:25 UTC 版)
「ノーベル経済学賞」の記事における「分野名に対する批判」の解説
正式名称中では、受賞分野はekonomi(Economics、「経済学」)ではなくekonomisk vetenskap(Economic Sciences、「経済科学」)とされているが、このことに関連して、ロバート・シラーは、「大衆の気持ちをつかみ、変人が皆の意見に一定の影響を持つとみられる分野」において、「評判の悪い類縁と区別をつけるため」に、「『科学』がつく傾向があるようだ」と述べている。一方でヘイゼル・ヘンダーソンは、「経済学は『科学』であるとこっそり正当化することで、経済学を政治的に中立なものに見せようとしているが、こうした一見『没価値的』な客観性と数学的厳密さで覆い隠す主張こそが、まさに経済学者に近寄りがたい雰囲気と世界各国の公共政策形成における主導的役割とを与えてきた」と批判する。ヘンダーソンが取材した物理学者のハンス・ペーター・デュルも、「経済学は粗悪な科学ですらなく、基本的な仮定の多くが正しくない」と述べており、2004年には、スウェーデン王立科学アカデミーの会員を含むスウェーデン人科学者3名が、スウェーデンの国内紙ダーゲンス・ニュヘテルに公開書簡を掲載して、「経済学は自然科学と似ても似つかない」にもかかわらず、「傾向としては、この賞は自然科学の手法を模倣し、客観性があると主張する特殊なタイプの経済学に与えられてきた」と批判している。
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