分子の基礎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 15:02 UTC 版)
形態形成期においてとりわけ重要な分子がいくつかある。モルフォゲンは可溶性の分子であり、拡散して、細胞分化を濃度に応じて決定する信号を伝達する。通常は特定のタンパク質受容体への結合を通じて働くものである。形態形成に関与する分子で重要なものは転写因子タンパク質であり、DNAとの相互作用によって細胞の運命を決定する。転写因子は主要調節遺伝子によってコード化され、他の遺伝子の転写を活性化したり不活性化したりする。こうして生じた二次的遺伝子は、制御カスケード内のさらに別の遺伝子の発現を調整することもある。形態発生に関わる分子として、細胞接着を制御する分子も挙げられる。例えば、原腸胚形成期では、幹細胞の凝集塊が細胞間の接着を無効化して遊走性となり、胚内で新たな場所を占めて特定の細胞接着タンパク質を活性化し、新たに組織や器官を作る。形態形成におけるモルフォゲンや転写因子、細胞接着分子の役割を、具体例を挙げつつ以下に詳しく述べる。
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