出歯亀

隠語大辞典

出歯亀

読み方：でばかめ

1. 好色漢の異名。府下大久保村に池田亀太郎と呼ぶ痴漢あり、綽名を出歯亀といふ。一夜私かに近傍の女湯を覗き、幸田某の妻の湯帰りを途に擁して辱しめたる上絞殺せり。此の事世上に喧伝して出歯亀の名、好色者の異名となる。
2. 手歯亀。女に対し色情的暴行をなすこと又その男をいふ。明治四十一年東京府下大久保で出歯亀との綽名ある池田亀太郎といふ労働者が某婦人を強姦せし事実が都人を騒がせし結果起りし語。
3. 東京府下大久保に池田亀太郎といふ男あり。綽名を出歯亀といふ某夜ひそかに近傍の女湯を覗き、幸田某の妻の湯帰りを擁して辱かしめ絞殺せり。これより出歯亀の名天下に謳はれ、好色漢の異名となれり。
4. 色情狂のこと。穴のぞきを好む色狂人。明治四十一年三月二十二日、西大久保三〇九幸田恭の妻ゑん（二八）が、同町五十四番地湯屋前に於て何者かに殺害されたが、翌月五日に至り其の犯人は、大久保町四〇九植木職池田亀太郎（二五）であることが判つた。亀太郎は出歯で特徴のある男であつたから、時の人之れを「出歯亀」と綽名し、この犯行をにくんだ。爾来色情狂のこと、好色漢の事を出歯亀といふやうになつた。
5. 強制的に挑むこと、強姦殺人の池田亀太郎のことから出た語。
6. 好色、助平男。出歯亀の綽名ある池田亀太郎が好色家でしかも強姦事件を犯してよりこの語がでる。〔俗〕

分類 俗／一般、東京

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