共翻訳トランスロケーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 23:35 UTC 版)
「トランスロコン」の記事における「共翻訳トランスロケーション」の解説
共翻訳トランスロケーション (co-translational translocation; 共翻訳転座)では、トランスロコンがリボソームと結合するため、成長中の新生ポリペプチド鎖がリボソームトンネルからSecYチャネルに移動する。トランスロコン (トランスロケーター) は、小胞体の疎水性膜を通るチャネルとして機能する (SRPが解離し、翻訳が継続された後)。出現するポリペプチドは、ブラウン・ラチェットによる潜在的な駆動によって、折りたたまれていないアミノ酸の列としてチャネルを通される。翻訳が終了すると、シグナルペプチダーゼは新生タンパク質から短いシグナルペプチドを切断し、小胞体の内部にポリペプチドを遊離させる。 真核生物では、小胞体に翻訳されるべきタンパク質は、シグナル認識粒子 (signal-recognition particle; SRP) によって認識される。シグナル認識粒子は、リボソームが小胞体上のSRP受容体に付着している間、リボソームによるポリペプチドの翻訳を停止させる。この認識イベントは、合成されるポリペプチドの最初の数個のコドンにある特定のN末端シグナル配列に基づいている。細菌はまた、真核生物TRAMに類似したシャペロンYidCとともにSRPを使用している。 トランスロコンは、膜タンパク質を小胞体の膜に正しい方向で移動させ、統合することもできる。このプロセスのメカニズムは完全には解明されていないが、トランスロコンが疎水性のアミノ酸配列の伸長を認識して処理することで、膜貫通ヘリックス(英語版)になることがわかっている。ストップ・トランスファー・シーケンス (stop-transfer sequences)によって閉じられ、埋め込まれたシグナル配列によって開かれたプラグは、その開いた状態と閉じた状態の間で変化し、らせんを異なる方向に配置する。
※この「共翻訳トランスロケーション」の解説は、「トランスロコン」の解説の一部です。
「共翻訳トランスロケーション」を含む「トランスロコン」の記事については、「トランスロコン」の概要を参照ください。
- 共翻訳トランスロケーションのページへのリンク