光吸収
光吸収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/24 07:14 UTC 版)
「ダイヤモンドの物質特性」の記事における「光吸収」の解説
Ia型のケープ・ダイヤモンド可視光領域における吸収スペクトル(直視分光器で計測)を観測すると、波長415.5nmのはっきりした紫色の線が出現する。しかし、このダイヤモンドを非常に低い温度で冷却して観測すると、このスペクトル線が現れないことがある。これはその線以外のいくつかの弱いスペクトル線に関係している。これらの比較的弱い線はN3またN2光学中心と呼ばれ、3つの窒素原子が原子1個分の空隙の周りに存在する欠陥状態と関係している。褐色、緑また黄色のダイヤモンドに波長504nmの緑色の可視光吸収スペクトル(H3中心)が、また時折波長537nmと495nmの弱い吸収スペクトル線(H4中心:4つの窒素原子と2つの格子欠落点が複雑に関係している欠陥)が確認される。IIb型ダイヤモンドは不純物のホウ素により遠赤外線領域での光吸収が見受けられることがあるが、観測可能な可視光の吸収スペクトルが存在しない。 宝石学専門の研究所ではダイヤモンドを天然か人工的に作製されたものか、また天然物に科学的な方法で着色させたものかどうか検査するための分光器を使用している。この分光器で赤外線、可視光、紫外線の吸収スペクトル、またダイヤモンドの蛍光スペクトルをも分析している。通常では認識されないスペクトルを検知するためダイヤモンドを液体窒素で冷却しながら測定している。
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