優勢言語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 04:55 UTC 版)
例えば英語を母語とするアメリカ人とフランス語を母語とするフランス人の間に生まれた子供が日本で生まれ育った場合、家庭において日常使用されている言葉(どの言語であるかは家庭の環境によって異なる)を習得し、家庭で使われている言語と日本語をともに獲得することになる。二つ以上の言語を使用できるときに、中心的に使用される言語を優勢言語と呼ぶ。あるいは、そういった特殊事情は無しに、単に両親の生まれ育った環境でその子も育った、という場合も含め、これは専門家であれば第一言語(first language)と呼ぶものでもあり、一般的に俗には母語(mother tongue)などとも呼ばれるものである(日本語話者の一部が使う「母国語」という語は、これらの英称とも対応していないし、言語学的には不正確でもある)。優勢言語がどのようにして決まるかはケースバイケースである。方言については、一例では、ジュディス・ハリスの研究によればアメリカ移民の子供は親が使うブロークンな英語よりも、仲間たちが使う正しい英語を身につけた。したがって家庭よりもそれ以外の環境の影響が強いかもしれない(あるいは、原因と結果の逆転の可能性もある。すなわち単に、言語獲得についてだけでなく、あらゆる面で家庭よりもそれ以外の環境の影響が強かったために、そうなったのかもしれない)。
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