逆行態とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 逆行態の意味・解説 

逆行態

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/29 20:52 UTC 版)

逆行形(ぎゃっこうけい、英語:inverse form)は、他動詞節の被動者項の有生性が、動作主項の有生性よりも高いことを示す動詞の形式。語形変化を伴わない場合を含め、逆行態(ぎゃっこうたい)ということもある。被動者項の有生性が動作主項の有生性より低い場合は順行形(じゅんこうけい、direct form)が用いられる。

逆行態自体は言語を問わず見られるが、日本語のような主題優勢言語においては、一般的に逆行態は好まれない。例えば「そのニュースは我々を驚かせた。」のような逆行態の文は日本語使用者に違和感を感じさせる。この場合、有生性の高い主体を主題としての主語とし「我々はそのニュースに驚いた。」と表現される。

典型的な例は北米のアルゴンキン語派に見られる。アルゴンキン語派では、「二人称一人称三人称近接形 (proximate)>三人称疎遠形 (obviative)」の階層の中で、被動者項が動作主項よりも左側にある場合に、逆行形が用いられる。

(1) ne -waapam -aa -wa
1SG -見る -順行 -3
私は彼を見る。
(2) ne -waapam -ek -wa
1SG -見る -逆行 -3
彼は私を見る。

(1)では、見られる「彼」が見る「私」よりも階層の左にないので、順行形が用いられている。 (2)では見られる「私」が見る「彼」よりも階層の左にあるので逆行形が用いられる(例はフォックス語、Comrie 1989: 129)。

関連項目

参考文献

  • Comrie, Bernard. 1989. Language Universals and Linguistic Typology.



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「逆行態」の関連用語

1
8% |||||


3
6% |||||

4
4% |||||

逆行態のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



逆行態のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの逆行態 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS