偽書の位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:34 UTC 版)
偽文書や偽書の作成がなされた事情は、その当時の歴史的背景に由来することが多く、学問上、完全に無意味とされる物は後述のオカルト的・詐欺的な例外を除けば少ない。当時の為政者や作者(と推定される人物)の心理面やその影響力を考察する点では歴史学上の価値もある。また民俗学などで民間信仰の変遷を辿る際には手がかりになることもある。 意図した人為の反映されがちな文献資料 (歴史学)の欠点を補うため考古学的結果(考古資料)に照らし合わせることも行われる。 歴史学と民俗学を繋ぐものとして重視する学者も存在する。網野善彦は、偽書には真正な文書からだけでは中々分からない庶民の意識、伝承、習俗が含まれているとして、単に感覚的に嫌悪するだけでなく、偽書が成立した背景、成立過程や機能を研究する事で貴重なものが得られるとしている。 一方で偽書の存在により、後年の郷土史研究や町おこしなどにおいて、重大な支障になっているケースもある。
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