偏心の生じるケースの例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/09 00:43 UTC 版)
大きな偏心が生じる構造の代表例として、日本の戸建住宅に多い平面構成が挙げられる。陽光を採り入れるために広いリビング・ダイニングを南側に配置し、北側に便所や浴室などを配置するというケースは多いが、壁の密集した北側に剛心が偏りやすくなる。その結果、地震の際には北側を軸とするように建物が振られ、壁の少ない南側が損傷しやすくなる。 また、オフィスビルなどでは、オフィスやロビーとして用いられる部分は広々とした空間をとるために壁を減らす一方で、エレベータなどを一箇所に集めたコアには壁が集中し、剛性の高い要素となる。偏った位置にコアを配置した場合には大きな偏心を生じることとなる。このような問題を防ぐため、建物の中央のみ、もしくは両端にコアを配置する対称性のある設計で偏心を防ぐことが多い。 その他、一階の片側に壁の少ないピロティを配置する、偏った位置に巨大なアトリウム空間を配置するといったケースで大きな偏心が生じる。特に一階の片端にのみ置かれたピロティなどは、剪断力に抵抗する壁がないこともあいまって、破壊されやすい。
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