倍音列と音楽の発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 20:22 UTC 版)
「限界 (音楽)」の記事における「倍音列と音楽の発展」の解説
ハリー・パーチ、Ivor Darreg、ラルフ・デヴィッド・ヒルなどの微分音音楽の作曲家たちは、音楽の構成において次第により高次の倍音が使われるようになったことを指摘している。中世西洋音楽では、オクターヴと完全五度から構成される(つまり最初の3つの倍音だけが関与する)和音だけが協和音であると考えられていた。西洋では、ルネサンスのころに三和音が出現し、間もなく西洋音楽の基本的な構成要素となった。このような三和音中の長三度や短三度は、最初の5つの倍音の関係を利用している。 20世紀になると、ブラックミュージックの基本的な構成要素として四和音が登場した。伝統的な音楽理論教育では通常、このような七の和音を、長三度と短三度の連鎖として説明している。けれども、これは5倍を超える倍音同士の関係から直接派生するものとしても説明可能である。例えば、12平均律におけるドミナントセブンスコードは4:5:6:7で近似できるし、メジャーセブンスコードは8:10:12:15で近似できる。 この歴史は、少なくとも革命的なジャンルにおいては(単純な三和音はジャズではめったに使われない)、各時代の支配的なテクノロジー(三和音など)が、旧時代のテクノロジー(中世の空虚四度、五度など)に完全に取って代わるという、断続平衡説的な進化を示唆している。このことから、和声の複雑さを説明するために上限概念を使うことが正当化されると考えられる。
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