信用格付の信憑性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:42 UTC 版)
2007年から表面化した「サブプライム住宅ローン危機」に端を発する世界金融危機 (2007年-2010年)では、サブプライムローン証券化商品に対して付与された「信用格付の不透明な内容」が、問題視された。 サブプライムローンの様な、信用力の低い貸付であっても、証券化商品として組成される過程で他のローンと組み合わされると、大数の法則により、一度に破綻することはなくリスクが低下したと見なされて、不動産証券化商品としては、一番高い信用格付け(例えばAAAなど)が付され得たが、その正確性に重大な疑問が呈され、世界金融危機で格付会社の信頼は完全に失墜し、世界各国において格付会社に対する法規制が導入される契機となった。 経済学者の高橋洋一は「破綻寸前だったエンロンやワールドコムに、投資適格の格付けがされていたり、サブプライムローンなどに高い格付けがなされていた。格付けの信頼性はその程度である」と指摘している。 他方で、国債に対する格下げについては、主として政府関係者から、内容の正確性について批判がなされることがある。また2011年現在では、証券取引委員会(SEC)に登録を受けた格付会社(NRSRO)10社のうち、S&P・ムーディーズ・フィッチの3者で、格付け市場の9割以上が占められており、寡占による弊害を懸念する声もある。 なお信用格付けは、信用力に対する意見に過ぎないものの、これが資金調達コストに反映される結果、信用格付が信用力や株価に影響を与えるという点も指摘されている。
※この「信用格付の信憑性」の解説は、「格付け機関」の解説の一部です。
「信用格付の信憑性」を含む「格付け機関」の記事については、「格付け機関」の概要を参照ください。
- 信用格付の信憑性のページへのリンク