保釈(ほしゃく)(bail)
定められた公判期日に裁判所に出頭するという条件で、勾留の効力を残しながらその執行を停止し、被告人の身柄拘束を解く制度。保釈中は通勤や通学など通常の社会生活を送ることができる。
保釈には、刑罰の軽い犯罪で起訴されている場合などに請求すれば認められる「必要的保釈」と裁判官の判断で認められる「裁量的保釈」の2種類がある。保釈の請求は、被告人本人だけでなく、その弁護士や家族でも可能だ。
保釈が認められると、保証金を裁判所に納める。この保証金のことを保釈金という。保釈金の金額は、その被告人の所得に応じて裁判官が決める。理由なく公判期日に裁判所に出頭しなければ、その保釈金は国に没収される。また、裁判が終わると、有罪・無罪にかかわらず、保釈金は返還される。
保釈制度には、刑事裁判における「推定無罪の原則」によって、逃亡や証拠隠滅の心配がなければ、保釈金を担保にして被告人の身柄を自由にするという発想が根底にある。
大麻取締法違反の罪で起訴されていた東京都内の男性被告について、最高裁判所が被告人の大学受験を理由に保釈を許可する決定を出した。受験が保釈許可の理由となることは珍しいという。
(2005.04.04掲載)
品詞の分類
名詞およびサ変動詞(訴訟) | 閉廷 上告 親告 告発 保釈 |
名詞およびサ変動詞(犯罪) | 推鞫 流謫 保釈 入牢 抵触 |
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