供与と受容の平衡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/27 02:14 UTC 版)
電荷移動錯体は分子、もしくは分子の一部が弱い結合でつながってできており、一方が電子供与体、他方が電子受容体として働く。結合は共有結合のように強くはないため、温度や濃度、溶媒などの環境に左右される。 電荷移動錯体では電子供与体(D)と電子受容体(A)の分子が次のような平衡を成り立たせている: D + A ↽ − − ⇀ DA {\displaystyle {\ce {D + A <=> DA}}} 量子化学では、非結合状態 |D, A> と配位状態 |D+...A−>の共鳴で表現される。配位状態になるために、電子遷移によって吸収帯が可視光領域になる。 吸収スペクトルにおける電荷移動吸収帯の強さは会合反応の平衡定数に大きく依存する。錯体の会合定数(解離定数の逆数)を決定する方法として、受容体と供与体の濃度が既知の溶液の吸収の強さを調べる方法が知られている。この方法はヨウ素と、溶媒の芳香族炭化水素の会合定数を調べる方法として最初に発表されている。この方法は、発表した人の名前にちなんでベネシ・ヒルデブランド法(英語版)と呼ばれる。
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