作曲・楽譜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 00:27 UTC 版)
前述のような体験をへて、ケージは1952年に『4分33秒』を作曲した。ケージは偶然性の手法として、『4分33秒』ではタロットカードを使用した。手作りのカードに時間を書き入れてシャッフルし、カードに書かれた沈黙の長さを足して各楽章の長さを決定した。結果的に第1楽章30秒、第2楽章2分23秒、第3楽章1分40秒で合計4分33秒になり、初演の楽譜が完成した。ケージによれば、音がない点をのぞいては曲を作るのと同様に行い、積み上げていったら4分33秒になったと語っている。沈黙の作品を発表することにケージがためらい、作曲の作業がとどこおったため、演奏者のチューダーがケージを急かして完成させたといわれている。 楽譜にはいくつかのバージョンがある。1952年の初演に使われた12ページの楽譜は通常ピアノ曲で使う大譜表であり、どんな楽器でも演奏できると表紙に書かれており、縦に数本の線が引かれて各楽章の時間を表した。翌年に友人のプレゼント用に作られた1953年のバージョンは、白線に6本の縦線が入っていた。1960年に出版されたバージョンは1枚の紙であり、各楽章に総休止を表すtacetが指示されている。また、全楽章の合計が4分33秒であれば各楽章の長さは自由であると書かれている。左側が1960年版の原語、右側がその日本語訳である。 ITACETIITACETIIITACET 第1楽章休み第2楽章休み第3楽章休み
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