体色の遺伝子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/17 01:18 UTC 版)
アパルーサの特徴、つまり毛色の斑文と皮膚のまだら、蹄の縦じまや眼の強膜 (まぶたのつけ根) の白さを備えた馬は「豹文複合型突然変異」 (LP) の対立遺伝子を最低1組は持っている。LP がある場合、かなりの確率で斑文がある。 LP iは ウマクロモゾーム1 (ECA 1) にある 1TRPM1 の常染色体優性の突然変異 autosomal incomplete dominant mutation と考えられる。。LP 遺伝子が1対でもあると豹文の特徴が現われることから、 LP は未知の色素遺伝子 (PATN) に働きかけて異なる毛色のパターンを生み出すのではないかという仮説に至った。LP が異型接合の馬は同型接合の場合より毛色が濃い傾向があるものの、必ずそうなるとは限らない。 TRPM1 遺伝子に3つの一塩基多型 single-nucleotide polymorphisms (SNPs) があると LP 突然変異に非常に深い関係があることが知られていながら、毛色がどうやって決まるかは研究の途中だという。近い将来、誰でも委託できる DNA 検査が開発されるかもしれず、ブリーダーにとっては見た目にアパルーサの特徴のない馬に LP があるかどうかを知る手がかりに使える日も来る可能性がある。 アパルーサであっても豹文が目立たないものも、優性 LP 遺伝子を1対受け継いでいれば蹄の縦じま、眼の周りの白い強膜 、鼻口と生殖器の周囲の皮膚にまだらがあるなどの特徴が出る。アパルーサにはサビーノ (sabino) と呼ぶ毛色や駁毛が出ることもあり、その場合、駁毛の遺伝子が強く出てくることから、 ApHC は駁毛との交配を勧めていない上に白い部分があまりにも多いと登録を認めない。また1頭の馬にこれらさまざまな遺伝子が伝わる場合もあり、アパルーサ計画という遺伝子研究グループは駁毛とアパルーサの間に遺伝子レベルでどんな関係があるか研究を続けてきた。
※この「体色の遺伝子」の解説は、「アパルーサ (馬)」の解説の一部です。
「体色の遺伝子」を含む「アパルーサ (馬)」の記事については、「アパルーサ (馬)」の概要を参照ください。
- 体色の遺伝子のページへのリンク