位相空間のコホモロジー環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 14:00 UTC 版)
「環 (数学)」の記事における「位相空間のコホモロジー環」の解説
任意の位相空間 X に対して、その整係数コホモロジー環 H ∗ ( X , Z ) = ⨁ i = 0 ∞ H i ( X , Z ) {\displaystyle H^{*}(X,\mathbb {Z} )=\bigoplus _{i=0}^{\infty }H^{i}(X,\mathbb {Z} )} を対応させることができる。これは次数付き環になっている。ホモロジー群 H i ( X , Z ) {\displaystyle H_{i}(X,\mathbb {Z} )} も定義され(実際にはこちらのほうが先に定まるのだが)、球面とトーラスのような点集合位相ではうまい具合に区別することが難しい位相空間の区別に非常に有効な道具として利用される。ホモロジー群からコホモロジー群が、ベクトル空間の双対と大まかに似たような方法で、定義される。普遍係数定理によって、各個の整係数ホモロジーを知ることと、各個の整係数コホモロジーを知ることとは等価であるが、コホモロジー群の優位性は自然な積を考えられるという点にある(これは k-重線型形式と l-重線型形式から点ごとの積によって (k+l)-重線型形式が得られることの類似である)。 コホモロジーにおける環構造は、ファイバー束の特性類や多様体および代数多様体上の交叉理論あるいはシューベルト・カルキュラスなどの基礎付けを与えている。
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