伝播と変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 19:16 UTC 版)
教会での典礼用に開発されたキリル文字は、グラゴル文字と同様スラヴ語正教会圏に普及していき、徐々にグラゴル文字の後継言語となった。シメオン時代にブルガリア統治下にあったセルビアにもキリル文字は伝播し、さらに988年にはキエフ大公ウラジーミル1世が正教会を受け入れたため、ロシア全土にキリル文字が伝播することとなった。 各国に伝わったキリル文字は、その後各地の実情に応じて修正が加えられていった。ロシアにおいては18世紀初頭にピョートル大帝が文字改革を行っていくつかの文字を廃止し、また字体がラテン文字に近づけられた。さらに20世紀に入ると再び改革が行われることになり、1912年に改正改革案が発表され、1917年にはロシア臨時政府によって旧文字体系から4つの文字が除去された現行のロシア文字体系が施行された。セルビアにおいても19世紀半ばにヴーク・カラジッチによって言文一致を旨とした改革が遂行され、不要な文字の除去とラテン文字のJの導入などが行われ、セルビア語キリル・アルファベットが成立した。1945年にはブルガリアにおいても文字改革が実施された。
※この「伝播と変遷」の解説は、「キリル文字」の解説の一部です。
「伝播と変遷」を含む「キリル文字」の記事については、「キリル文字」の概要を参照ください。
- 伝播と変遷のページへのリンク