伝承・風習
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 15:26 UTC 版)
日本では古くから赤ん坊の夜泣きは体内にいる「疳の虫(かんのむし)」という(架空の)虫が原因だと信じられてきた。このため、疳の虫を取る・疳の虫を切るといった風習があり、寺社に参詣して神仏に祈願する、祭神名や呪言・文字などを唱える、祈祷師・神主・修験者・僧侶などに祈祷してもらう、寺社の呪符や守札を家の出入口や神棚に貼り付けておく、灸を据えるなど動植物を使った民間療法をする、などといった方法で対処していた。これらを「虫封/虫封じ(むしふうじ)」といい、略して「封じ(ふうじ)」ともいう。 長野県佐久地域(江戸時代以前における信濃国佐久郡)では、古くから夜泣きを防ぐというまじないなどが行われてきた。逆さ屏風を立てたり、白紙に朱で「撥火撥火杖差作神将提差 夜啼鬼打殺莫要散急急如律令」と書いて子供の手のひらに貼ったり、「お池のはたの古狐、わればか(り)鳴いて、この子泣かすな」というまじない歌もある。 欧米では赤ん坊の夜泣きはことさら問題にされないことが多い。これは育児に対する考え方の違いや住宅事情の違いが影響しているものと思われる。
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