代筆問題について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 15:58 UTC 版)
「シオドア・スタージョン」の記事における「代筆問題について」の解説
スタージョンはエラリー・クイーン名義のミステリー『盤面の敵』(1963年)をゴーストライターとして書いている(フレデリック・ダネイのプロットを基に執筆。ダネイのプロットを基に小説を書いてきたマンフレッド・リーの代役であった)。 この小説は高く評価された。ミステリ作家にして評論家のH・R・F・キーティング(H.R.F. Keating)はこれがスタージョンの作であることを知り、「私は 『海外ミステリ名作100選』(Crime and Mystery: the 100 Best Books)を書き上げたばかりで、その中で『盤面の敵』をクイーンの作品として疑いもなく言及していた」と記している。同様に、MWA賞受賞作家であるウィリアム・L・デアンドリア(William DeAndrea)は、雑誌 Armchair Detective の記事で好きなミステリー10冊を挙げているが、その中に『盤面の敵』が入っていた。彼はこの作品で人生が変わり、熱心なミステリーファンとなって、最終的に作家になったことを告白し、同作品を最大級に褒め称えている。 評論家の野崎六助、その著書『北米探偵小説論』において、「(この本が)最初からスタージョン名義で刊行されていたら、おそくら冒頭の章を読むだけで、結末の見当はついてしまったことだろう」と書いた。 作家の法月綸太郎は、『盤面の敵』は単なる代作ではなく、「孤独な魂に送られてくるメッセージ」というスタージョン的なモチーフが利用されており、特にスタージョンの自身の短編「隔離」(『SFベスト・オブ・ザ・ベスト』(上)に収録)の影響が強いと論じている。
※この「代筆問題について」の解説は、「シオドア・スタージョン」の解説の一部です。
「代筆問題について」を含む「シオドア・スタージョン」の記事については、「シオドア・スタージョン」の概要を参照ください。
- 代筆問題についてのページへのリンク